2017.03.13 Monday
高1、5月。 #17
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http://moonpiec.jugem.jp/?eid=24193
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http://moonpiec.jugem.jp/?eid=24822
「カンカン、現文って池島先生でしょ?
夏目漱石の話、習った?
日本人は「愛してる」って言葉の変わりに「月が綺麗ですね」って言葉を使うって話。
池島先生、あの話、きっと毎年生徒達にしてるんだろうね。」
「ちょっと前に私が呼んだ本にこんなお話が書いてあったの。」
「有名な作家とかじゃなくって、私のお気に入りの物書きさんなんだけどね、
月が綺麗=愛してる
はもうメジャーになりすぎてるんじゃないかって。
相手に向かって『月が綺麗ですね』って言うのは、もはや遠回しでもなんでもなく
オープンに愛してるって伝えてるのと変わらないんじゃないかって。
なら違う言葉を使おうよ。日本人なら、
「おにぎり美味しいね。」って言おうよって書いてあって。おかしくない?」
「その物書きさんの、そういう独特な発想、私好きなんだよね。
なんで「おにぎり美味しいね。」が「愛してる」になるかと言うと、
コンビニでおにぎりを買って一人で食べる時ってどんなに美味しくても
独り言では『おにぎり美味しいね』なんて言いながら食べたりしないよね。
ならこの言葉を発するのはいつかと言うと、誰かと一緒に食べている時。
どこかに出かけていて、それは例えば、ドライブだったり、旅行だったり、遠足だったり、山登りだり、
そして今日みたいにデートだったり。
どこかに出かけて、誰かと食べてるおにぎり。
それを食べてる時、目の前にはきっとあなたの大好きな人や、気のおけない仲間や、友人達がいいるはず。
そんな大切な人達と笑いながらおにぎりを食べる。
その時に感じる「美味しい」という気持ち。
そこで発してしまう「おにぎり美味しいね」って言葉。
この言葉の中には、沢山の「大好き」や「愛してる」や「一緒にいられて楽しいね」
そんな気持ちが沢山含まれているって。」
「今日さ、久しぶりのカンカンとの公園デート、
私すごい楽しみだったんだよ。
だって、カンカンが会おうって時はいつも
どっちかの親がいない時に、どっちかの家の中ばかりだし、
する事と行ったらアレばかりだし」
「だから、こうやって久しぶりに外で会えるのすごい嬉しかったの。
カンカンに沢山食べて貰おうと思って、
朝から沢山のおにぎりも握ってきちゃった。
でも、一回も言ってくれなかったね。」
「おにぎり美味しいねって」
「てか、
カンカン今日もずっと上の空だもんね。
私といて楽しい?
楽しくないよね」
「なんだって分かってるよ、カンカンの事は。
私を誰だと思ってるの。
今日は私に大切な話をしに来たんでしょ」
「いいから。その話しなくていいよ。
だって、カンカン出来ないでしょ?自分では。
昔からそうだよね。
変な所で優しいんだよね。カンカンって」
「いいよ。
別れてあげる。
手紙の子の事好きなんでしょ?
あの子の所行きなよ」
「もう私に優しくしないでよ。
そんな気もないくせに」
「大丈夫だよ。
別れても私達は仲良しだから。
カンカン、あずねーたんの関係でしょ。
カンカン最初に言ったじゃん。姉弟みたいだからそんな風に考えられないって。
私はおねーさんなんだから、カンカンの幸せずっと見守っててあげるから。
ねっ、頑張りな」
「今日までおねーちゃんのわがままにつきあってくれてありがとう。
カンカン大好きだったよ。
短かったけど、カンカンのカノジョになれて、私幸せだったよ」
#18につづく
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「カンカン、現文って池島先生でしょ?
夏目漱石の話、習った?
日本人は「愛してる」って言葉の変わりに「月が綺麗ですね」って言葉を使うって話。
池島先生、あの話、きっと毎年生徒達にしてるんだろうね。」
「ちょっと前に私が呼んだ本にこんなお話が書いてあったの。」
「有名な作家とかじゃなくって、私のお気に入りの物書きさんなんだけどね、
月が綺麗=愛してる
はもうメジャーになりすぎてるんじゃないかって。
相手に向かって『月が綺麗ですね』って言うのは、もはや遠回しでもなんでもなく
オープンに愛してるって伝えてるのと変わらないんじゃないかって。
なら違う言葉を使おうよ。日本人なら、
「おにぎり美味しいね。」って言おうよって書いてあって。おかしくない?」
「その物書きさんの、そういう独特な発想、私好きなんだよね。
なんで「おにぎり美味しいね。」が「愛してる」になるかと言うと、
コンビニでおにぎりを買って一人で食べる時ってどんなに美味しくても
独り言では『おにぎり美味しいね』なんて言いながら食べたりしないよね。
ならこの言葉を発するのはいつかと言うと、誰かと一緒に食べている時。
どこかに出かけていて、それは例えば、ドライブだったり、旅行だったり、遠足だったり、山登りだり、
そして今日みたいにデートだったり。
どこかに出かけて、誰かと食べてるおにぎり。
それを食べてる時、目の前にはきっとあなたの大好きな人や、気のおけない仲間や、友人達がいいるはず。
そんな大切な人達と笑いながらおにぎりを食べる。
その時に感じる「美味しい」という気持ち。
そこで発してしまう「おにぎり美味しいね」って言葉。
この言葉の中には、沢山の「大好き」や「愛してる」や「一緒にいられて楽しいね」
そんな気持ちが沢山含まれているって。」
「今日さ、久しぶりのカンカンとの公園デート、
私すごい楽しみだったんだよ。
だって、カンカンが会おうって時はいつも
どっちかの親がいない時に、どっちかの家の中ばかりだし、
する事と行ったらアレばかりだし」
「だから、こうやって久しぶりに外で会えるのすごい嬉しかったの。
カンカンに沢山食べて貰おうと思って、
朝から沢山のおにぎりも握ってきちゃった。
でも、一回も言ってくれなかったね。」
「おにぎり美味しいねって」
「てか、
カンカン今日もずっと上の空だもんね。
私といて楽しい?
楽しくないよね」
「なんだって分かってるよ、カンカンの事は。
私を誰だと思ってるの。
今日は私に大切な話をしに来たんでしょ」
「いいから。その話しなくていいよ。
だって、カンカン出来ないでしょ?自分では。
昔からそうだよね。
変な所で優しいんだよね。カンカンって」
「いいよ。
別れてあげる。
手紙の子の事好きなんでしょ?
あの子の所行きなよ」
「もう私に優しくしないでよ。
そんな気もないくせに」
「大丈夫だよ。
別れても私達は仲良しだから。
カンカン、あずねーたんの関係でしょ。
カンカン最初に言ったじゃん。姉弟みたいだからそんな風に考えられないって。
私はおねーさんなんだから、カンカンの幸せずっと見守っててあげるから。
ねっ、頑張りな」
「今日までおねーちゃんのわがままにつきあってくれてありがとう。
カンカン大好きだったよ。
短かったけど、カンカンのカノジョになれて、私幸せだったよ」
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