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moon piece P-diary

(>_<)
0
    110531_111835.jpg
    今日から出社したんだけど、
    あまりの激痛っぷりに我慢出来なくて
    時間休とって病院に来た。
    僕の100キロはいつまで続くのだろう?
    いつ終わるのだろう(>_<)
    | マラソン | 11:23 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    アホみたいに天気いいなあ
    0
      110531_065347.jpg
      すげームカつくわ。
      | マラソン | 06:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      2011つくば100キロウォーク歩行記 その1
      0
        ◆最初に
        件名の100キロウォーク挑戦して来ました。
        当日リアルタイムでここに書いたので、
        みなさん結果はご存じだと思いますが、
        頑張ったけど、ゴールにたどり着く事は出来ませんでした。
        69km。
        スタートして15時間47分でリタイヤしました。
        ぶっちゃけ、最高のネタだと自分でも思います。


        って言うのも、
        今回の大会は14人で参加しました。
        正確に書くと友人の、
        カービィちゃんあららちん、ゆりっちょ、こーちゃん、みゆきたん
        そして、この100キロウォークを機に、
        メールを貰って友達になったBettyさんの6人と、
        ろじぱらのワタナベさん
        その友人の、ミル姐、なんかつけてさん、桶屋が儲かるさん、
        空さん、ワタナベ♂さん、ワタナベ♀さん
        (なんとワタナベさんが3人(笑))の7人、
        全部で14人で参加しました。

        メンバーの中には、
        スポーツジムに通ってる方は、
        何人かいましたが、
        ほとんどの方が、
        普段は何も運動してないって方ばかりでした。

        誘ったのは俺じゃん。
        俺がなんとかしなきゃと思って、
        それこそリーダー気取りで、
        練習会を組んだり、
        http://moonpiec.jugem.jp/?eid=1671
        メーリングリストを作って、
        アドバイスめいたものをみんなに送りつけたり、
        はたまた、メンバーの相談にのったり、
        加えて言うと、
        自宅で打ち上げまで企画して準備を進めて来ました。

        大いに傲りがありました。
        100キロは歩いた事ないけど、
        フルマラソンは4回出て4回とも完走してる。
        去年の秋のレースはタイムは割と良かった。
        100キロ、絶対歩けるだろうと。

        なのに、
        ああ、なのに14人中13人が完歩。
        自分1人がリタイヤ。
        面白すぎると思いません?
        ここまで体はってネタを提供する事になるとは
        思ってもいなかったです。

        みんなでゴールしようね。
        そしてみんなで家で打ち上げしようね。
        そんな時、誰か1人でも歩けてなかったら
        その場の空気ってすげー微妙じゃん。
        だからみんな頑張ろうね。
        こう言ってた帳本人が歩けなかったんだから。

        昨日からずっと色んな事を考えた。
        改めて過去の日記を読み返してみた。
        この大会に出ようと決めた時に書いた日記がコレ。
        http://moonpiec.jugem.jp/?eid=1166

        今、この日記読むだけで思う。
        100キロ舐めてる。
        夜のピクニック?
        そんな甘酸っぱいものじゃなかった。
        人生の中で一番辛かった。




        ◆最後のメール

        僕たちは14人で頑張りました。
        それぞれ仲間で頑張りました。
        歩いてて誰か1人でも遅れてくると、
        手を繋いでひっぱって歩いた。
        本人が



        「先に行ってくれ。」



        こう言うまでは手を離さなかった。

        自分が仲間達と同じペースで歩けなくなった時、
        自分は言えなかった。
        連れってって。
        一緒に連れてって。
        「誰か手を繋いで。」
        言えなかった。
        つまんない見栄があったから。
        俺が誘ったんだ。
        俺がリーダーなんだ。
        弱音なんてはくわけないじゃんって。

        上述した通り、
        100キロメンバー用にメーリングリストを作って、
        時にアドバイスめいたメールを送っていました。
        大会前日にも送りました。
        『今までみんなに色んなメールを送ってきたけど、
        今日のこのメールが最後のメールです』と。







        このメールを送った時は、
        思ってもいませんでした。
        再度、このメーリングリスト宛に、
        メールを送る事になるとは・・・



























        きっと長い長い日記になると思います。
        一気に書き上げる事は出来そうにないので、
        少しずつこの下に書き足して行きますね。
        書き足した時は、
        この日記を一番上にあげるようにします。
        良かったら読んでやって下さい。












        スタート前そしてスタート直後。






        その2へ続く。

        http://moonpiec.jugem.jp/?eid=1855



        | マラソン | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        2011つくば100キロウォーク歩行記 その2
        0
          ◆結果的に言うと

          リタイヤ。
          流れとしてはこんな感じでした。
          みなさんご存じだと思いますが、
          大会直前の水曜日、サッカー部の練習で右足首を捻挫しました。
          これについては、今回のメンバーから
          「浅はかだ。」と随分責められました。
          僕自身一番悔いてる事です。
          ただ、サッカー部は、翌週末、年に1回の
          大きな大会が控えているんです。
          キャプテンの僕が練習を休むわけにいかないじゃないですか。
          加えて言うとサッカーは30年続けてきてる。
          手の抜き方くらい心得てるんです(苦笑)
          手を抜いて流す程度にやろうと思っていたのですが、
          このタイミングで捻挫するとは思わなかった。

          サッカー中の捻挫。
          ありがちな怪我で
          おいら自身、右足首は過去に何度もやってる箇所。
          普段なら何もしなくても、
          1週間も放置しておけば勝手に治るのですが、
          さすがに今回は焦った。
          なんとしてでも、3日で治さなきゃと。

          普段は何もしないのですが、
          今回は低周波治療器をあてたり、
          湿布貼ったりと出来る限りの治療をしました。

          そして当日。
          多少違和感はあるものの、
          痛みはとれてる。
          やれる。
          これだったらやれる。
          こう思ってエントリーしました。

          異変を感じたのは、
          スタートして5kmを過ぎたあたり。
          感じていた足首の違和感が、
          少しずつ痛みに変わっていくのが分かる。
          焦って10kmのエイド(休憩ポイント)で
          ロキソニン(痛み止め)を1錠飲みました。

          飲んで30分くらい経過した頃、
          薬が効いてきたのか、足首の痛みは少し緩和されました。
          ところが、3時間が過ぎたあたりからまた痛みが出始めました。
          30kmのエイド。
          慌ててもう一錠飲みました。

          しかし今回は前回ほど効き目がありませんでした。
          少しずつ少しずつ足首の痛みが増す。
          これは敵わないと思って、50kmのエイドで
          再度もう1錠飲みました。

          異変は52〜53キロ過ぎたあたりから出始めました。
          胃が万力で締め付けられているようにキリキリと痛む。
          激痛。
          内臓が動いてない感じ。
          そして、体内からすべての体温が奪われていく感じ。
          冷えていく感じ。

          胃が痛い。
          足首も痛いけど、
          足首の痛みなんて比べものにならないくらい
          胃と内臓が痛い。

          それでも、ごまかしごまかし歩きました。
          でも、いつまではごまかしは効かなかった。
          限界が来た。

          今思えば、当然の結果だと思う。
          通常、間隔を8時間以上開けなければならない薬、
          食後に胃薬と一緒に飲まなきゃならない薬を、
          4時間おきに薬だけで3錠連続投与。
          ほとんど何も食べてない空っぽの胃袋。
          30km50km歩いて疲労がたまって、
          ほとんど活動していない胃に何度も刺激の強い薬を投与。

          足首が痛かったんです。
          この痛みをなんとかしたかった。
          これさえなんとかなれば、なんとかなると思ってた。
          その為に、過剰に薬を摂取。

          結果的に言うと、
          薬の副作用がリタイヤの一番の原因になりました。

          胃痛はその後も治りません。
          大会後、断続的な胃痛に悩まされ、
          固形物がほとんど喉を通らなくなりました。
          あまりの痛みに、火曜、病院に行ってきました。
          カメラ飲んだわけじゃないから、
          急性胃炎としか診断出来ないけど、
          ここまで痛みが続くって事は、
          潰瘍が出来るんだろうって診察され、
          胃潰瘍治療用の薬を貰って来ました。
          現在、その治療をしています。







          ◆娘の恋愛事情
          20km→30km
          この10km区間は比較的にあららちんと一緒に歩いてた。
          娘の恋愛事情の話をしながら。
          プライベートな内容なので、
          さすがにここには書けないけど、
          「お互い娘を持つと気苦労が絶えないね。」
          そんな感じの話をしてた。

          20km→60km
          いわゆる中間区間は、
          俺、カビちゃん、ベティちゃん、みゆきたん、桶さん、あららちん、ゆりっちょ、
          おおよそ、この7人パーティで歩いた。
          途中、カビっちが一人で先に歩いてた事があったり、
          後半、ゆりっちょは遅れていったけど、
          参加者の中のグループって言うか、団子分けすると、
          中間区間はこの7人だんごで歩いてた。

          22時過ぎだったかな?
          それまでも何度か雨は降っていたけど、まだ小雨程度だった。
          40kmを過ぎたあたりから強い雨に変わった。
          それまでおいらは、
          ウィンドブレーカー+スパイダーマン3の帽子で
          雨を凌いでいたんだけど、







          さすがにこれじゃ厳しいなと思って、
          本格的に雨対策をしようと思った。

          41km地点くらいに、
          陸橋になっていて、雨がしのげる所があったので、
          そこでリュックを広げて、ポンチョを出したり、
          靴用のカッパみたいなを取り出したりしてた。
          他のメンバーは40kmの休憩所ですでに雨対策はしてたので、
          「先に行ってくれ。後からすぐ追いつくから。」と伝えた。











          ところがこの雨対策、
          はじめて着るポンチョや靴用のカッパが
          少しやっかいでさ、ちょっと時間がかかったの。
          気がついた時には、メンバー達は見えなくなってた。
          そして、横を見たらあららちんがいた。
          あららちんも必死になってカッパ着たりしてた。

          「二人で行こっか。頑張って追いつこうね。」

          こう言って歩きはじめた。
          あららちんは、マラソンチーム
          ちーむつきっこの最初からのメンバーで、
          今まで、10kmのレースを1回。ハーフマラソンを2回、
          フルマラソンを2回。
          全部で5回一緒に走ってきた。
          でもね、マラソンはやっぱりタイムを争う競技。
          一緒にエントリーしてるからといっても、
          本当に一緒にいるのはスタートまで、
          一緒に走ったとしても、せいぜいスタートの団体がばらける
          2km地点くらいまで。
          その後は各自のペースで走ってく。
          でも、ウォークは違う。
          二人で肩を並べてもくもくと歩いた。
          ただただ前を見て。
          前方に光りを見つけて、追いつく。
          違う。うちらのメンバーじゃない。
          また頑張る。頑張る。
          あいつらどんだけ前にいるんだろう。

          4〜5キロくらいだったかな。
          2年半、ずっと一緒のチームでやってきたけど、
          ここまで長い時間、長い距離、
          二人で列んで頑張った事って無かったよね。
          この区間、お互いほとんど何もしゃべらなかったけど、
          楽しかったよね。
          頑張ったよね。
















          ◆ダイヤモンド

          46km。
          23時くらい。
          やっとみんなに追いついた。







          おめーら頑張りすぎっしょ?
          歩くの早すぎ。
          このタイミングで、また雨脚が強くなった。
          笑っちゃったよ。
          だってさ、天気予報によれば、
          明け方3時くらいまでは、降っても小雨程度って出てから。
          もう、やけくそ。
          プリプリのダイヤモンド歌おうぜって事になって、
          みんなでダイヤモンドを歌った。
          底抜けに明るく。
          底抜けにやけくそに。










          ダイヤモンドだね
          ah いくつかの場面
          ah 上手く言えないけれど
          宝物だよ。










          ◆顔が立たない
          今回の大会。
          うちらのメンバーのダークホースは
          なんてったって「みゆきたん」でした。







          みゆきたん、今回のエントリーが始まって
          割と早い時期に誘いました。
          一緒に出ようぜって。
          酒飲んでる時に。
          彼女はすんなり了承してエントリーしました。

          数日後、彼女から連絡が来ました。

          「私は絶対出んけんね。
           24時間なんてイヤや。
           アホちゃうか?いつ寝るん?
           絶対出んけんね。
           100キロなんて正気の沙汰じゃない。
           アホや。キチガイのする事や」

          こう言って。
          だので、彼女はメンバー顔合わせの飲み会にも来てないし、
          練習会にも来てない。
          酔った勢いでエントリーしたものの、
          出ないものだと思っていました。

          ところが、
          大会前日の飲み会にはなぜかいたのです(笑)
          相模原から参加のカビっちは、
          大会前日からつくばに前泊で入っていました。
          なら、軽く飲もっかって事になったのですが、
          その飲み会にみゆきたんがいました。

          おいらは顔出すだけ程度のつもりだったので、
          遅れて行ったんだけど、
          その時点でみゆきたんは
          もうすっかり出来上がってた。
          そして言いました。

          「お前、明日出るんやんなー?」

          「当たり前や。」

          あーあーまたこいつ酔ってるよって思いました。
          その後、その飲み会は、
          (カビっちは先に帰ったみたいだけど、)
          朝4時半まで続いてた模様で、
          4時半に僕の携帯に
          みゆきたんからメールが来てた。

          「明日、8時半に起きれたら私も参加するからねー。
           眠れないから、さっき睡眠導入剤飲んだ。」

          酔っぱらい、かつ、眠剤、かつ、4時間睡眠、かつ、練習一切なし。

          普通に考えて来るわけないですよね。
          ところがです、
          彼女はやって来たんです。
          しかも100キロ見事、完歩。







          なんかねー、俺達は事前から練習したり、
          当日使う道具を吟味して色々揃えてきたの。
          方や彼女はと言うと、
          機能性タイツは持ってないわ、
          靴はスポーツ用じゃなく、タウン履きの普通のスニーカーだし、
          靴下なんて五本指ソックスじゃなく、
          しまむら製のニーハイ。
          前日突然参加を決めて、
          こんなんでひょうひょうとゴールされたら、
          俺達の準備は一体なんだったんだろう?ですよ(>_<)
          況んや、ゴール出来なかった俺なんてもぉおおおですよ。
          正直、顔が立たないですよ(苦笑)


          いつもハイテンションの彼女ですが、
          この日は普段以上にテンション高かった。

          0キロ→20キロはやたらと、

          「二日酔いやー。吐きそうや。
           眠剤がぬけなーい。つらいー。」

          こう叫んでいました。
          これだけなら、まだしも、

          「あたしなぁ、今日(生理)二日目やん。
           中、凄い事になっとるでぇ。」

          こう叫んでいました。
          聞きたくありません(>_<)

          彼女は最初から最後まで、
          「がんばらーい。」
          「もう帰ーる」
          こう叫んでいました。

          事前の練習会の時に決めた合い言葉、
          休憩からスタートする時は、
          必ず円陣を組んで、
          「頑張るぞっ」「おう!」ってやった。
          歩いていて、ツラそうな子を見つけたら、
          「○○ちゃん、頑張ろうぜー」「おー!」
          ってかけ声をかけ合うようになってた。

          本番は違った。
          円陣を組んで

          俺:「頑張るぞっ」
          みんな:「おー!」
          みゆきたん:「がんばらなーい。帰る帰るー」
          俺:「あーわかった。帰れ帰れ!」

          これがワンセットのかけ声になってた。
          これを繰り返してた。







          彼女は最初から最後まで、
          大きな声で、

          「ま○こ」「ま○こ」って叫んでいました。

          所構わず叫んでた。
          連呼してた。
          ゴール手前でも叫んでた。
          大絶叫で「ま○こぉおおおおおおおおおおお」って。
          こいつ相変わらずアホやなーって思っていたんだけど、
          今なら分かる。

          みゆきたんの言う「ま○こ」って言葉は、
          俺達が言ってた「頑張ろうぜ」の言葉の代わりだったんだって。
          照れ屋の彼女、彼女なりの応援の言葉が
          あの言葉だったんだろなって。
          (だとしても、他になかったんだろうか?(苦笑))


          みゆきたんとの会話で一番憶えてるのは、
          56kmくらいだったかな。
          胃の痛みがきつくなってきた頃、

          「なぁ、むんちん、私の大陰唇もうダメやで。
           どうしてくれるん?責任とってくれるん?」

          「なぁ、むんちん、大陰唇もげそうや。どないしよう?」

          アホかと。
          聞いてて笑ってしまった。

          「うるせー。今生えてるのは子供の大陰唇だからもげても平気だよ。
           もげたら右側は屋根の上。左は縁の下に投げ込んどけ。
           そしたら、しばらくしたら、大人の大陰唇が生えてくるから。」

          って返事した。
          しばらくしたらこんな言葉が返ってきた。

          「なぁ、むんちん、私の携帯、ダイインシンって入力しても
           変換出ないんだけど、アホなんやろうか?
           ダイインシンってどんな漢字?」

          きっと携帯日記になんか書いてたんでしょうね。
          その後もこんな事言ってた。

          「なぁ、むんちん、ニクボウ(肉棒)も変換出ないんやけど・・。」

          つらい道中。
          彼女の周りだけは常に笑いが溢れていました。
          彼女と話している間、ほんのつかの間は
          痛みを忘れていた。




          60kmで再度休憩。
          そして、地獄の始まり。




          俺、カビちゃん、ベティちゃん、みゆきたん
          4人で出発した。
          上述したとおり、間もなくして
          薬の副作用と足の痛みから、
          僕はみんなと同じペースで歩けなくなり、
          少しずつ遅れていった。

          前方、少しずつ小さくなっていく仲間達の明かり。

          何度も何度もこっちに振り返って叫ぶ声が聞こえてた。
          何度も何度も聞こえてた。





          「むんちーん。まんこやでー。超まんこやででえええ。」








          そしていつしか、
          その声も聞こえなくなった。





















          僕は1人になった。
















          ◆ウタノチカラ

          練習会の時、
          100キロを乗り切る為には歌が必要だって気がついた。
          だので、歌本を作る事にした。
          おいら達のメンバー構成は、
          20代前半から40代前半。
          この世代が共通して歌える歌の本を。
          ただ、紙にするとかさばると思ったので、
          歌本は電子データにして、全員の携帯に送っておいた。
          携帯なら、暗くなっても見えるしと。
          そんなおいら達が作った歌本の歌のリストがコレ。

          ・あいさつの魔法
          ・愛おぼえていますか〜超時空要塞マクロス〜
          ・青空
          ・明日があるさ-ジョージアで行きましょう編
          ・赤いスイートピー
          ・赤鼻のトナカイ
          ・あなただけ見つめてる(スラムダンク)
          ・あの素晴らしい愛をもう一度
          ・亜麻色の髪の乙女
          ・アンパンマンのマーチ
          ・上を向いて歩こう
          ・宇宙戦艦ヤマト
          ・栄冠は君に輝く〜全国高等学校野球大会歌〜
          ・おどるポンポコリン
          ・崖の上のポニョ
          ・ガッツだぜ!
          ・ガッチャマンのテーマ
          ・Country Roads
          ・カントリー・ロード〜耳をすませば編〜
          ・乾杯
          ・ガンダム〜翔べ!ガンダム〜
          ・希望の轍
          ・君が好きだと叫びたい(スラムダンク)
          ・キューティーハニー
          ・君が代
          ・銀河鉄道999
          ・熊本交通センタープラザの歌
          ・グリングリーン
          ・GET WILD
          ・さくらんぼ
          ・サライ
          ・サザエさん
          ・残酷な天使のテーゼ
          ・さんぽ〜となりのトトロ
          ・365歩のマーチ♪
          ・時代
          ・島唄
          ・15の夜
          ・少年時代
          ・ZOO 〜愛をください〜
          ・制服
          ・世界に一つだけの花
          ・セカンド・ラブ
          ・セーラー服と機関銃
          ・セーラームーン
          ・千の風になって
          ・続溝ノ口太陽族
          ・卒業
          ・そばかす(るろうに剣心)
          ・空も飛べるはず
          ・それが大事
          ・宙船
          ・タッチ
          ・旅人よ〜The Longest Journey
          ・チコタン
          ・地上の星
          ・TSUNNAMI
          ・翼の折れたエンジェル
          ・翼を下さい
          ・手紙〜拝啓十五の君へ〜
          ・天空の城ラピュタ
          ・to U
          ・年下の男の子
          ・ドラえもんのうた
          ・どんなときも
          ・なごり雪
          ・涙そうそう
          ・花〜すべての人の心に花を〜
          ・晴れたらいいね
          ・バンザイ
          ・ff(フォルテシモ)
          ・fragile
          ・Best Friend
          ・My Revolution
          ・真っ赤な自転車
          ・負けないで
          ・魔女っ子メグちゃん
          ・また会える日まで
          ・見上げてごらん夜の星を
          ・未来
          ・もののけ姫
          ・木綿のハンカチーフ
          ・YAH YAH YAH
          ・夜明けのMEW
          ・夜空ノムコウ
          ・夢をあきらめないで
          ・ラストチャンス
          ・ラジオ体操の前に流れる曲
          ・Love マシーン
          ・ラムのラブソング
          ・ランナー
          ・ルパン三世〜カリオストロの城・炎のたからもの〜
          ・One more time,One more chance

          全93曲
          まぁ、20代〜40代と言いつつ、
          特定の世代で固まって作ったので、
          若干の偏り感は否めないですけどね(苦笑)
          ただ、頑張って作ったけど、
          この歌本を使って歌ったのは、
          2曲くらいでした。







          雨のせいで。






          疲れて歌の力に頼らないとならくなった頃、
          雨は本格的に降り始め、
          携帯を出す事が出来なくなってた。

          仕方なく僕達は、
          携帯を見ずにソラで歌った。
          歌詞が分からない部分は全部
          「にゃー」に変えて歌った。
          猫たちの大行進。




          春色の汽車にのぉ〜って
          にゃーにゃーにゃー連れていってーよ
          にゃーにゃーにゃーのにゃーにゃーにゃーのシャーツに
          そーっとにゃーにゃーにゃーにゃにゃー。



          52〜53キロくらいだったかな。
          その時一緒に歩いてたのは、
          おいらと、カビちゃんと、桶さん。

          おいらがふと言った。
          なぁ、TMネットワークの
          seven days war歌おうぜて。

          なんの気なしに言った。
          どんな歌詞だったかも憶えてないけど、
          この時はただなんとなくこの歌が歌いたくなってつぶやいた。
          そして3人で歌った。
          でも、やっぱり歌詞があんまり分からなかった。
          歌い終わるとカビちゃんが言った。

          「この曲、俺のi-pod touchに入ってるよ。
           俺のi-pod、外だと聞こえるかどうか分からないけど、
           少しなら音出せるよ。聞く?」

          僕達はうなずいた。
          それは風が吹けばかき消されてしまうような、
          小さな小さな音だった。

          3人でくっつくように列んで、
          i-podから流れてくるseven days warを耳をすました。






          seven days war
          闘うよ
          僕たちの場所、誰にも 
          I'll never give up .
          seven days war .
          Get place to live .
          うつむかず生きるために





          この曲ってこんな歌詞だっけ?
          このタイミングでこんな事言われると思わなかった。













          僕たちの場所、誰にも

          I'll never give up












          この歌詞が耳の中に響いた。
          ウタノチカラ。
          カラダ中に電気が走った。
          カビっちが「うぉー」って叫んだ。







          その3に続く。

          http://moonpiec.jugem.jp/?eid=1858










          | マラソン | 23:25 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
          2011つくば100キロウォーク歩行記 その3
          0
            ◆雨
            これは本当にきつかったなぁ。
            おいらが感じてた降り方は、

            13時→22時 : 曇りor小雨
            22時→ 9時 : 雨or大雨
             9時→13時 : 大雨or鬼雨

            こんな感じ。
            朝5時前にリタイヤしたおいらは、
            9時間の小雨と、6時間の大雨の中を歩いた。
            況んやメンバー達は・・・
            うちのメンバー達のゴール時間は、
            平均すると23時間くらい。
            つまりメンバー達は、
            9時間の小雨、11時間の大雨、3時間の鬼雨、
            23時間、雨の中を歩き続けた。
            どんな苦行だよ?
            特に翌日の朝9時からの鬼雨は台風の影響で、
            ハンパない事になってた。
            あそこを歩きぬいた彼らの精神力ってハンパないと思う。




            カッパもポンチョも防水スプレーも、
            最初こそ良かったけどすぐダメになった。




            雨具は着ると多少雨はしのげたけど、
            雨以上に、中は汗で蒸れてカラダ中ぐっしょりだった。
            着ても着なくても変わらない状態。
            アタマからフードを被って、
            ヒモを縛って雨が入らないようにしたら、
            即席のサウナスーツ。
            蒸して蒸してキモチ悪い。
            仕方なく、ヒモだけはほどいた。
            少し空気が入るようにした。
            そしたらその隙間に雨が容赦なく降り込んでくる。
            全身ぐっしょりだった。

            靴の防水スプレーは割と効いていた。
            上から降って来る雨には対しては平気だった。
            でも、水たまりを3回も踏んづければ
            中はぐっしょりになった。

            最初こそ、水たまりを気をつけて歩いてたけど、
            そんな事気にしてたら歩けないって事に気がつき、
            気にせず歩いた。
            濡れた靴。
            足の皮がぶよぶよになっているのを感じてた。

            濡れた体。
            濡れた靴。

            必要以上に体力を奪われていくのを感じてた。
            寒くて寒くてたまらなかった。



            もし晴れだったらね、
            歩いてて疲れたら、
            そのへんに座って休憩する事も出来たと思うの。

            リュックには栄養補給の為の食べ物を沢山持って歩いてた。
            それらも一切出す事が出来なかった。
            雨に濡れないように、
            リュックはカバーに完全につつんでいたから。
            リュックの中の持ち物達は、
            ただ背負ってるだけの重しに過ぎなかった。

            もし晴れてたらね、
            歩いていて空腹を感じたら、
            鞄を開けてそれらを取り出して食べてたと思うの。

            10kmずつにある休憩所。
            ブルーシートの屋根が貼ってあって、
            雨はしのげるようになっていた。
            でも、そんな場所は限られていた。
            溢れる参加者。
            仕方なく、立っていたり、
            座っても、邪魔にならないように足をまげて
            小さくなって座った。
            足にマメが出来てたのは気づいてたけど、
            それをつぶしたりして、
            再び歩けるように治療するスペースはなかった。







            スタートの時みたいに
            もし、雨さえ降っていなければ、
            そのへんに座って、
            しっかり足を伸ばして、
            痛い所を入念にストレッチしたり、
            マメの治療も出来たのに。







            なんにもなんにも出来なかった。











            「晴れだったらな。」










            これは言い訳。
            雨だったけど、
            鬼雨。最悪のコンディションだったけど、
            俺以外の13人はゴールまでたどり着いた。

            雨に濡れた体。
            薬の副作用で体の中から来る冷え。
            寒くて寒くてたまらなかった。

            フードの襟元から、
            降り込んで来る大きな雨粒が、
            何度も何度も僕の心を折った。







            ◆ワタナベさんとミル姐
            ろじっくぱらだいすのワタナベさん。
            言わずと知れた、大手テキストサイトの管理人さんです。
            約10年前。
            僕がmoon pieceを始めた頃、
            すでにろじぱらはテキストサイトの王様で、
            その後も星の数ほどのサイトが浮かんでは消えていったけど、
            この12年間、
            ワタナベさんはずっとトップを走り続けてきました。
            僕にとっては憧れのサイト管理人で、
            いつか会ってみたいなと思っていました。

            7年前だったかな?
            ミル姐が管理人をしてる、ミクシのコミュ、
            ろじぱら大好きパラダイスのイベントが葛西であって、
            それに参加して、初めて会いました。
            当時おいらは京都に住んでいたんだけど、
            ワタナベさんに会いたい一心で上京しました。
            あれから7年。
            それ以来、なんやかんやと仲良くしていただくようになって、
            ろじぱらでイベントをする際はスタッフとして呼んで頂き、
            毎回、MCとして壇上に上がってしゃべらせて頂いてます。
            こんなしゃべれないMCでいいんだろうかといつも思ってる(苦笑)

            ワタナベさんとミル姐は、
            最初の20kmこそ別々だったけど、
            20km→100kmはずっと一緒だった。
            ずっと2人で歩いてた。
            すごい早さだった。







            ちなみにミル姐は全参加者中、
            女性では2位の成績!!

            ゴールした後の
            ワタナベさんとミル姐の会話が面白かった。

            ミル姐:
            「途中さぁ、ワタナベさんに
             『ねぇ、汗拭かないの?タオル貸そうっか?』
             って何度か言ったんだけど、『イラナイ。』って言うだもん。
             こっちは隣歩いてて、汗臭くてたまらないから
             拭いて欲しいのに」

            ワタナベ:
            「そーなのぉおおお!?
             なら、ちゃんと(臭いって)分かるように言ってよ(>_<)
             俺はてっきり親切で貸してくれるって言ってたんだと思った」

            こんな会話をしてた。









            中間グループの僕達だんご
            (俺、カビ、ベティ、あらら、みゆき、ゆり、桶)は、
            2人についてこんな話をしてた。

            ワタナベさん達早いよねぇ。
            てか、ずっと一緒に歩いてるんだよね。
            こんな長い時間2人で一緒にいて、
            2人で辛い事して、
            2人で何かを乗り越えようとしてて、
            恋とか愛とか生まれないのかねぇ???

            もっぱらこんな話をしてた。

            この事は打ち上げの時、
            直球で聞いてみた。

            「あんなに長い時間一緒にいて、
             同じ辛い事を乗り越えてきて、
             愛情とか生まれないんですか?」

            って。


            ミル姐:

            「ないないない。ホテルで隣に寝てたとしても絶対ないよ。」

            ワタナベ:

            「はっきりお断りしまっ(キリッ)。」

            だってさ(笑)


            さすがワタナベさんだなぁって思ったのは、
            おいらは「つくば100キロウォーク」に出るって
            散々色んな所で吹聴してたじゃん。
            方やワタナベさんは具体的な事は一切書いてないの。
            「週末にとある100キロのイベントに出る」
            としか書いてないの。
            なのに、ああ、なのにだ、
            スタート前には、
            参加者の知らない女子に囲まれてた。


            「ろじぱらのワタナベさんですよねぇ!?」って。


            10km地点では、
            また違う方に囲まれてた。
            今度はサインまで求められていた。


            「ろじぱらのワタナベさんですよね?
             サイン貰えますか?」って


            そんな光景を見てしばらくたった頃、
            カビっちがボソっと言った。
















            「俺さぁ、アレ見てたらmoon pieceが不憫でなぁ。

             俺がサイン貰いにいってやろうかと思ったよ。」



























            いらねーよ。


            ばか。












            ◆初恋の話

            50km手前。
            俺、カビ、ベティ、あらら、桶、
            5人でお互いの初恋の話をしてた。
            おいらはせっちゃんのハーモニカの話をした。
            この時みゆきたんも一緒に歩いてたんけど、
            彼女は一緒に歩いてるって言うより、
            ちょっと後ろをぴょこたんぴょこたん走ってた歩いてた。

            時々、ま○こ、ま○こ叫びながら。






            ◆号泣

            ゴールで泣いた子。
            そうでない子。
            それぞれだったけど、
            僕が見てた感じ、
            (リタイヤして先にゴールにいたからなぁ(>_<))
            全ゴール者のうち、7割くらいの方が泣いてたかなぁ。
            あんな辛い中頑張ってきたんだもん。
            そりゃ泣くよね。絶対泣いちゃうよね。
            うちのメンバーの中で一番泣いてのたは
            ゆりっちょだった。

            ゆりっちょ。
            失礼だけど、そして今だからこそ言うけど、
            今回のメンバーの中で、
            1番厳しいだろうなと思っていたのが彼女でした。
            だからこそ、歩いてる時、一番気に掛けて、
            声をかけてきました。

            「ゆりっちょ平気か?」

            「ゆりっちょ声が聞こえないぞ。」

            「ゆりっちょ元気か?」

            「ゆりっちょなんかしゃべんなよ。」

            って。
            でもね、ゆりっちょを心配して、
            気に掛けていられたのも
            30kmくらいまでだった。

            上述したようにコース中間は基本的に7人パーティ。
            俺、カビ、ベティ、あらら、桶、みゆき、ゆりの7人で歩いてた。
















            このパーティから少しずつゆりっちょが遅れるようになった。
            10kmごとにある休憩所。
            俺達6人が辿り着いて、少し休憩をして、
            再度出発しようかってタイミングに、
            ゆりっちょは休憩所に飛び込んでくるって感じだった。
            体感でのタイム的には、
            ゆりっちょだけ5分〜10分遅れてる感じ。

            本来ならね、
            ここで、ゆりっちょを待ってあげて、
            再度7人で出るべきだとは思うんです。
            でもね、出来なかった。
            待っていたら、自分まで動けなくなってしまいそうで。
            6人+1人。

            休憩場所にゆりっちょが飛び込んで来る姿が見える度に安心してた。
            そして申し訳ないと思ってた。
            一緒に歩けなくてごめんね。
            先に行ってごめんねって。

            そんなゆりっちょは、
            号泣しながらゴールにやってきました。

            後から聞いたんだけど、
            ゆりっちょは80kmの休憩所でカラダが動かなくなって、
            リタイヤしようとしてたんだって。
            絶対無理だって思っていたんだって。
            でも、周りにいた仲間達から、
            「もう少し頑張ろうよ。」
            こう励まされて、握手をして、
            頑張ってみようと思ったんだって。
            もっかい歩くって決めたんだって。

            ゴールのずっとずっと向こうに
            ゆりっちょの姿が見えた時、
            涙が出た。

            ゆりっちょは遠くからでも分かるくらい、
            小さい女の子がそうするように、
            顔に手を当てて大泣きしながら歩いてた。




            「ゆりっちょ、頑張れ!

             ゆりっちょ、頑張れ!
             
             あとちょっとだ。

             ゆりっちょ頑張れ!」






            おなかの底から声を張り上げて、
            何度も何度も叫んだ。
            本当はそこまで迎えに行って
            一緒に歩いてあげたかったけど、
            僕の右足はもう言う事を聞いてくれなかった。


            顔に手を当てた小さな女の子は
            号泣しながら僕の前を通り過ぎて
            ゴールの中に包まれて行った。


            ゴールの瞬間、
            嫁が写真を撮っていたので、
            ゆりっちょに送ったら、
            こんなメールがゆりっちょから来た。








            ゴールの自分のぶちゃいくさに

            ちょっと自分で引きました(>_<)






            嘘だ。
            最高の顔してると思う。
            最高の泣き顔だと思う。


            羨ましい。
            俺も同じキモチ、
            同じ顔でゴールで泣きたかったな。
            大きなガッツポーズをして、
            ゴールで号泣したかった。













            余談ですが、
            我がチームの涙腺弱い王ナンバー1って言うか、
            なんなん?なんでそのタイミングで泣くん?
            でおなじみの泣き虫王の ですが、
            なぜか彼はゴールでは泣いてなかった。
            つまんねーの。







            ◆南
            69km地点。
            陸橋下。

            ヘッドライトを外し、
            雨でビショビショになった帽子を脱ぎ、
            ポンチョを脱いで、
            リュックをおろして、
            足を伸ばして地面に座った。

            全員に「リタイヤします。」
            のメールを送った。
            送る前に少し躊躇した。
            このメールはもしかしたら送らない方がいいのかな?
            だってさ、
            まだみんな頑張ってるわけじゃん。
            ここで俺がリタイヤした事をみんなが知ってしまったら、
            連鎖でリタイヤが起こってしまうのでは?
            リタイヤの誘い水になてしまうのでは?と。


            みんなの力を過小評価するのは止めよう。
            弱いのは俺だけだ。
            こんなメールが来ても、
            きっと誰も気にしないはず。
            イヤ、あのメンバーなら間違いなくこのメールを見たら、
            俺の分まで頑張ろうと思ってくれるはず。
            そう思って、メールした。


            その後、嫁に電話をした。


            俺、そう、ごめん、69kmにいる。
            ごめん。リタイヤ。動けないんだ。
            迎えに来てくんないかな?
            寒くて凍えそうなんだ。


            こう言って電話を切った。
            メールと電話。
            2つが終わったら、
            何もする事が無くなった。


            そしたら何かが、どばっと出た。
            後から後から涙が溢れた。
            感情が爆発する感じ。
            上手に言葉で表現出来ないけど、
            アホみたいに泣いた。
            悔しさ。
            情けなさ。
            かっこ悪さ。
            辛さ。
            痛さ。
            悲しさ。
            なんかよく分からないけど、
            1人しか通れない細い通路に、
            10人、100人の人が一気に通ろうしてる感じで
            細い管から、沢山の感情がいっぱいあふれ出してきて、
            アホみたいに泣いた。

            この話を打ち上げの時、メンバーに話したら、











            陸橋の下ってなんだよ?


            かっちゃん死んだんかよ?









            ってからかわれた。


            明け方5時前。
            辺りはすっかり明るくなってた。
            この頃になると、メンバーだけでなくて、
            参加者全員が、これまで一緒に戦ってきた仲間として
            お互いがお互いの事を認め合い、親近感が生まれてた。
            知らない方達とも普通に話すようになっていた。
            僕が足をひきずって歩いてると、
            何人かから、
            「足大丈夫?湿布持ってるよ。あげようか?」
            こう言って話しかけてくれた。



            でも、そこで号泣してる僕には
            誰も話しかけてくれなかった。



            僕だって、きっと同じ事をしたと思う。
            あの時、あの場所で、
            自分はまだ歩ける状態で通りかかり、
            僕じゃない誰かが、
            あの場所で座り込んで泣いている姿を見たなら・・・



            言葉が無かったとしても、
            一瞬にして状況を把握しただろう。



            あの時間、
            あの天気の中、
            あそこを歩いたみんな分かってたと思う。
            僕がどんなキモチで泣いていたかを。
            みんな知っていたと思う。
            この状態の僕が、
            救われるような言葉は、
            この世には何ひとつ存在しない事を。






            どんな慰めの言葉も惨めだった。







            どんな言葉もいらない。






            ただただ悔しくて悔しくて、
            悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて
            悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて
            悔しくて悔しくて悔しくて悔しくて
            たまらなかった。
            たまらなかった。







            ずっとずっと嗚咽を繰り返した。








            その4に続く。

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            | マラソン | 23:23 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
            2011つくば100キロウォーク歩行記 その4
            0
              ◆ダメージ

              リタイヤ時の僕のダメージは、

              ・急性胃炎(胃潰瘍?)
              ・右足首捻挫再発
              ・両足の小指に特大のマメ
              ・両足の親指の爪の割れとはがれ

              ・・・でした。





              ◆くまっこ

              最初の方でも書いたけど、
              今回のウォーキング、
              14人で参加しました。
              ワタナベさん率いるろじぱらチーム7人(通称「ろ組」)と、
              おいら率いるmoon pieceチーム7人(自称「月組」)、
              2つのグループで参加してました。

              moon pieceグループは、
              おいらを除く5人は従来からの友人。
              そして1名、このウォーキングを機にメールを頂いて
              初めて会った子。
              Bettyさん。







              熊本出身の子で、
              今回の歌本作りに一番協力してくれました。

              Bettyさんとは10km→20km
              この区間一番一緒に歩いたかなぁ。
              アホみたいに熊本の話ばっかりしてた。
              Bettyさんが昔、
              交通センター下の店で
              バイトしてた事があるって話をしてさ、
              でもってその店が、
              俺が転職前の会社で、
              九州支社に赴任した、
              一番最初の日の昼ごはん、
              上司に連れられて食べにいったお店だったりしてさ。
              「あそこの店の貝汁定食最高やったね」って。

              そのあとは、熊本ラーメンの中では、
              どこが一番好きかで盛り上がってた。
              僕達の共通認識としては、
              いわゆるメジャーどころの、
              大黒や黒龍より、
              北熊と健軍の文龍が熊本ラーメンとしては
              最強だろうって(笑)

              すまん、脱線してるな。
              100キロウォークのレポート書いてるんだよね。
              いつもの事だけど、
              熊本のこと書き始めるとついね(苦笑)

              Bettyさん。
              これも今だから言える話。
              僕の中では、ゆりっちょに継いで、
              この子も厳しいだろうなって思ってた。

              って言うのも、
              彼女自身、今まで特に何かしてきたわけでもなく、
              5月最初の 練習会 の時なんか、
              「今まで練習で3kmしか歩いてません。」
              って言ってたんだもん。
              練習会、でみんなで30km歩いた時も、
              息も絶え絶えで、すごく辛そうだった。
              そんな姿を見てたから。

              練習会の時決めた合い言葉。
              辛そうな誰かを見かけたら、
              誰彼構わず、

              「○○さん、がんばろー!」「おーっ!」

              ってかけ声をかけてた。

              本番前、Bettyさんからお願いされていました。
              あのかけ声、元気出るから、
              本番もやろうねって。
              了解。
              僕は声をかけつづました。

              「Bettyさん、がんばろー!」「おーっ!」

              「がんばろー!」「おーっ!」って。




              61km。
              62km。
              パーティは、
              俺、カビ、ベティ、みゆきの4人。
              少しずつ少しずつ遅れはじめる俺。
              前方から
              何度も何度も彼女が振り返って、









              「むんくん、頑張るぞー!」








              って叫んでいるのが聞こえてた。
              しばらくはおいらも頑張って
              「おー!」
              って叫んでいたけど、
              だんだん、その声も出なくなった。


              そして
              「むんくん、頑張るぞー!」
              の声も聞こえなくなった。














              気がつくと、

              辺りは真っ暗になってた。










              ◆87km 藤沢

              嫁に車に乗せて貰って必死の思いで
              みんなの応援に行った。
              87km地点。岩瀬。
              ゴール手前。
              最後の休憩地点。

              雨はもう、
              大雨と形容するには足りないくらい
              激しさを増していた。
              あえて表現するなら、なんだ?
              鬼雨だ。

              僕がそこについた時点で、
              ワタナベさん、ミル姐、こーちゃんの3人は
              もう、出発した後だった。
              休憩所には、
              カビっち、ベティちゃん、桶さん、みゆきたんの4人がいた。
              4人の姿を見た途端、
              また涙が溢れた。

              一番近くにいた桶さんに抱きついて言った。


              「ごめんね。ごめん。
               一緒にゴール出来なくてごめん。
               一緒にゴールしたかったよ。
               ごめんね。
               お願いだから、
               俺の気持ちだけはゴールまで連れてって。」
              と。


              桶さんは何も言わずに、
              拳を天に突き上げた。


              その後、続々とみんなが休憩所に飛び込んできた。
              足をひきずりひきずり、
              全身びしょ濡れで
              満身創痍で。











              カビちゃんなんて酷い状態、
              酷い顔してた(苦笑)
              カビちゃん。
              始めて会ったのは確か6年前。
              秋葉原でやったくもオフに来てくれた。
              それ以来仲良くやってる。
              ネットを介して知り合った中で、
              一番仲良く、一番親密につきあっている友人。
              泣き虫で、人見知りで、
              時々赤ワイン飲んで悪酔いするけど、
              友達思いのとっても優しい奴。
              いい奴。










              自分がリタイヤした後、
              ひとつだけずっと気になってた事があった。
              円陣。
              休憩所ごとに、
              そこにいるメンバー達をおいらが集めて、
              手を重ねてやっていた



              おいら:「頑張るぞっ!」

              みんな:「おー!」



              このかけ声。
              俺がいなくなった後は、
              どうなってんだろう?って。
              少なくとも俺がリタイヤした後は、
              73km藤沢
              80km土浦
              87km再び藤沢
              ここまでに2カ所、
              ここを合わせたら3カ所の休憩所があった。
              どうしてたんだろう?

              そんな事を考えてるうちに、
              声が聞こえてきた。
              カビちゃんの声。







              「じゃあ俺ら、もう行くわ。

               最後のアレやるぞ。」








              そう言うと、
              そこにいたみんなが
              カビちゃんの前に手を差し出した。
              そっか。
              カビちゃんが替わってやっててくれたんだ。
              そう思ってほっとしてたら、















              「おめぇーもだよっ!」












              突然こう言われて、
              思いっきり手を引っ張られて、
              円陣のみんなの手の中に
              俺の手を加えて重ねた。











              「最後だっ。

               絶対ゴールすんぞぉっ。!

               頑張るぞっ!!」










              「おぉおおおおおおおお!!」










              「がんばらなぃ〜い」(みゆきたんの声)






              鬼雨の音に負けない声が
              灰色の空の中、響き渡った。






              それぞれの姿が
              雨の中に消えていった。


              頼りない足並み。
              今にも倒れそうな歩みで。


































              その5に続く。

              http://moonpiec.jugem.jp/?eid=1873












              | マラソン | 23:22 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              2011つくば100キロウォーク歩行記 その5
              0
                ◆歩く限界と走る限界

                アホみたいに元気だった
                1→10km区間。
                マラソン仲間のあららちんやこーちゃんと
                こんな話をしてた。

                今までのフルマラソンでは、
                走っている途中しんどくて、
                「もうダメ、限界。」
                こう感じて、
                走るのをやめて、
                歩きはじめる事は多々あった。
                でもね、この時点では、
                走る事が出来ないだけで、
                歩く事は出来るんですよ。
                つまり自分の中で、
                「走りの限界」ってのは何度も体感した事があるの。

                でも、今回は最初から歩いてるわけじゃん。
                もう走れないって言って”歩き出す”。
                その先の限界。
                もう歩けないって状態が来るのかな?
                それってどんなんだろう?

                怖いけどその領域に踏み込んでみたいよね。
                もう走れないじゃなく、
                もう歩く事も出来ないと思う瞬間。
                体感してみたいよね。
                どんな感じがするんだろう?
                そんなアホみたいな話をしてた。

                それがどんなにどんなに辛いものなのか
                この時は知る由もなかった。

                ただただアホみたいに話してた。







                ◆ウタノチカラ 2

                みんなとはぐれて1人になった。
                真っ暗闇の中をとぼとぼ歩いてた。
                ふと思いついた。
                そうだ!
                音楽を聴こうと。
                おもむろにipod-shuffleを取り出して、
                イヤフォンを両耳にねじ込む。

                2曲目にかかったのが、
                長渕剛さんの「stay dream」
                長渕さん、そこまで好きなアーティストじゃないんだけど、
                今回のipod-shuffleの中には入れておいた。

                100キロウォークにむけて、
                聴けば元気になれそうな曲と思って、
                めくらめっぽうに色んな曲を集めて、
                詰め込んだで作ったプレイリスト。
                shuffleされたそれらの曲の中から
                2曲目に流れて来たのがこの曲だった。

                正直、今まできちんと聴いた事なかった曲だし、
                歌詞もたいして知らなかったんだけど、
                このタイミングで、
                この曲はないでしょうと思うような歌詞、
                絶妙の神タイミングだった。






                STAY DREAM

                死んじまいたいほどの苦しみ悲しみ
                そんなもののひとつやふたつ
                誰もがここあそこに
                ほら背負い込んでるもの
                腰をおろしふさぎ込んでも答えはnothing

                ぶっ飛ばしたいほどの怒りや悔しさ
                そんなもののひつやふたつ
                殴られた痛みはTryへのone-step
                尽くせぬ自由は
                がんじがらめの不自由さの中にある

                くよくよするなよ
                あきらめないで
                Just like a boy

                その痩せこけた頬のままで
                果てしない迷路の中を
                人は皆 手探りしてでも 
                Stay stay dream
                Stay stay dream

                ひねくれかけた瞳のずっとずっと奥に
                もがいてるもうひとりの俺がいる
                一番怖いものは勇気だと知った時
                自分の弱さに思わず鼻をつまんだ

                もうこれ以上先へは進めない
                たとえば挫折が目の前に立ちはだかる
                そんな夜は心で命の音を聞け
                「たかがこんな自分は」と
                一度だけからかってみなよ

                くよくよするなよ
                あきらめないで
                Just like a boy

                その痩せこけた頬のままで
                果てしない迷路の中を
                人は皆 手探りしてでも 
                Stay stay dream
                Stay stay dream...





                なんて言うか染みた。
                心の奥に染みた。

                すごいすごい辛かった。
                だけど、この曲を聴いた時、
                まだやれると思った。
                絶対やってやろうじゃねーかと思った。


                ほどなくして曲は終わり、
                次の曲。
                次の曲は氷室京介のangel。
                そしてここで、ipodは水没。
                終了(>_<)
                曲は1番の途中で、
                突然、ボイスオーバー機能に切り替わる。



                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                「氷室京介 エンジェル」

                     ・
                     
                     ・

                     ・
                     ・
                     ・
                     ・





                ボイスオーバー特有の機械の声が、
                アーティスト名と曲名だけを、
                ただただ読み上げる。
                エンドレスリピート。
                どのボタンも押しても効かない。
                止まらない。









                あーあ。

                ipodも死んじゃったなぁ・・・






                そうつぶやいて、
                耳からイヤフォンをハズした。
                イヤフォンもフードの中に振り込む雨で、
                たった3曲で、ぐしょぐしょになっていた。
















                もうこれ以上先へは進めない
                たとえば挫折が目の前に立ちはだかる
                そんな夜は心で命の音を聞け
                「たかがこんな自分は」と
                一度だけからかってみなよ

                くよくよするなよ
                あきらめないで
                Just like a boy














                ◆オヤジ

                仲間はいない。
                i-podは死んだ。
                ここから本当に孤独になった。

                真っ暗闇の中。
                聞こえるのは雨音とカエルの鳴き声。
                スニーカーのゴム底が水たまりを踏みしめる音。
                見えるのは自分のヘッドライトが青白く照らし出す光。
                その光に反射する雨粒だけ。

                そんな中をひたすら1人で歩いた。
                締め付けられる胃の痛みを我慢しながら。
                歩く度にきしむ右足首の痛みに耐えながら。
                カラダを包み込む雨の冷たさを我慢しながら。
                カラダの中から沸いてくる悪寒に耐えながら。

                青白い光の先、
                そこに2年前に死んだオヤジがいると思ってた。
                オヤジがいてくれると思ってた。
                この区間ずっと、
                オヤジと話しながら歩いた。


                「なぁ、オヤジ、
                 俺、アホやったかな?
                 こんな大会、出なきゃ良かったよ。」


                「なぁ、オヤジ、
                 このタイミングで俺が真っ先にリタイヤしたら、
                 みんなどう思うかな?
                 やっぱり、『なさけねー。』って思うよね?」


                「なぁ、オヤジ、
                 胃がすごい痛いんだよ。
                 もう死にそうに痛いんだよ。
                 どうすればいい?」


                「なぁ、オヤジ、
                 あんたは酒飲みすぎて
                 肝硬変で死んだやん。
                 死ぬ時はやっぱり痛かったんか?
                 モルヒネいっぱい打ってたけど、
                 今の俺より痛かった?」


                「なぁ、オヤジ、
                 俺はモルヒネじゃないんだよ。
                 ロキソニンで苦しんでる。
                 アホみたいやろ?自分で飲んでこうなったんや。
                 自分でもアホやと思うわ。」


                「なぁ、オヤジ、
                 すんげー寒いんだよ。
                 寒くてたまんないんだけど、
                 これ、肺炎じゃないんかな?
                 昔1回肺炎なって入院したけど、
                 あん時の寒さとすげー似てるもん。」


                「なぁ、オヤジ、
                 明日さ、うちでみんなで打ち上げするんだけど、
                 打ち上げ会場の家主がゴール出来てなかったら
                 その場の雰囲気、絶対微妙だよね?」


                「なぁ、オヤジ。
                 i-podダメになったんだけど、
                 これなんとかならねーかな?
                 もっちっと音楽聴きたいんだけど。
                 家帰って、冷蔵庫に入れるしかないかな?」


                「なぁ、オヤジ、
                 今の俺、絶対格好悪いよな?」


                「なぁ、オヤジ、
                 誰からも格好悪いって思われなくないよ。
                 いつもかっこつけていたいんだよ。」


                「なぁ、オヤジ、しんどいよ。」


                「なぁ、オヤジ、痛いよ。」


                「なぁ、オヤジ、寒いよ。」


                「なぁ、オヤジ、辛いよ。」


                「なぁ、オヤジ、なぁ。」


                「なぁったらああああ」


















                なんか言えよ。






















                「なぁ、オヤジ。お願いだから助けてよ・・・」





















                「オヤジ。しんどいよ。」


























                「もう止めてもいいかな?








                 俺、リタイヤしてもいいかな?









                 なぁ・・・。」













                沢山オヤジに話しかけた。
                オヤジに話しかけながら、
                一生懸命歩いた。









                オヤジは一言も、

                返事をしてくれなかった。


















                ◆心が折れた瞬間

                60km地点を出発した時点で
                自分の限界が近い事は感じてた。
                だからこそ思ってた。

                あと10km歩こう。
                何がなんでもあと10kmだけは歩こう。
                70km。
                次の休憩地点にたどり着いた時点で、
                もしダメなら、
                そこでリタイヤしよう。
                でも、あと10kmだけは、
                死にものぐるいで歩いてやろう。
                そう思って60km地点を出発した。

                62kmでメンバーとはぐれ1人になり、
                その後はずっと1人で歩いてきた。
                1kmずつに表示される距離標識。
                ちょっと前までは、
                すいすい通過していたのに、
                いつまでたっても、次の1kmの標識が見えない。
                それでも痛む胃と足を抱えて、
                必死になって歩いた。
                座りたい。
                座りたい。
                ほんの少しでいいから座りたい。
                座って足を伸ばせればなんとかなるかも。
                座りたい。
                座りたい。
                こう思いながら、足を引きずった。

                遠くに見える小さな明かりがすべて、
                休憩所の明かりに見える。
                近づくといつもそれはただの街灯だった。

                遠くに見える赤や黄色の何かがすべて、
                仲間達の背中に見える。
                近づくとそれは何かの看板だったり、
                カラーコーンだったりした。

                座りたい。
                座りたい。
                渇いた場所に座りたい。

                68kmの標識を越えてしばらくたった頃、
                前方、自分が歩いている道の上を
                何かが覆い被さっているのが見えた。
                陸橋だ!!
                あの下だったら渇いてるかも。
                座れる。
                座れる。
                必死になって足を引きずった。


                陸橋到着。
                ため息と同時に地面に座り込む。
                あと1kmか・・・。


                もう限界だな。
                でも頑張ろう。
                あと1kmだけは這ってでも歩いてやろう。
                自分の足で70km地点、
                休憩地点まで行って
                そこにいるスタッフに、
                自分の口で「リタイヤしますって。」
                きちんと伝えよう。
                あと1km。
                あと1kmだ。


                そう思っている時でした。
                後ろの方から聞き覚えのある声が聞こえてくる。
                振り向くと、
                ろじぱらチームのろじぱらのワタナベさんじゃない、
                ワタナベさん♂がいた。
                (紛らわしいんだけど、ろじぱらチームには
                 3人ワタナベさんがいたんだ。)

                ワタナベ♂さんは、
                たった今、この陸橋にたどり着いたみたい。
                事情を説明する。
                俺はもうダメ。
                でも、あと1kmだけは意地でも歩くね。
                70km。
                次の休憩地点でリタイヤするよと。

                こう告げると彼は、
                驚愕の言葉をつぶやいたのです。















                「えっ!?違いますよ。

                 次の休憩地点は73kmですよ。

                 この区間だけ、なぜか長いんですよ。」















                なんで!?
                10km、20km、30km...
                スタートから徹底して10kmごとに
                休憩ポイントがあったんです。
                当然、60kmの次は70km地点に
                休憩ポイントがあると思っていました。
                69km。
                あと、1km、
                あと、1kmだけは何がなんでも、
                それこそ足がもげようが、
                胃がちぎれようが
                頑張って歩いてやろうと思ってた。



















                4km?



                この先、あと4kmもあんの?

















                無理。
                絶対無理。
                今の足で4km歩く。
                歩けたとしても、
                2時間はかかるだろう。

                この状態。
                この雨の中、
                これから先、
                4kmは無理だ。
                2時間は無理だ。

                13時に始まったこの大会。
                それまで、
                何度も何度も挫折がありました。
                そんな小さな挫折達に
                一生懸命セロテープを貼って、
                ガムテープをぐるぐる巻いて
                応急処置を続けてきた。
                傷だらけになった「頑張る」って棒を
                補修だらけの変わり果てた「頑張る」って棒を、
                なんとかここまで持ち続けてきた。














                「残り4km。」














                この言葉が、
                僕の「頑張る」棒を
                思いっきり音を立てて
                叩き折った。

                もうセロテープも、
                ガムテープも、
                ボンドも接着剤も効かない。
                アロンアルファーでも直せなかった。
























                ◆そして・・・



                「どうすんの?
                 来年もっかいチャレンジすんの?」



                色んな人から聞かれた。















                ごめん。


                分からない。













                だってね、
                どんだけシンドかったか。
                どんだけ辛かったか。
                どんだけ痛かったか。
                どんだけ暗かったか。
                どんだけ怖かったか。
                どんだけ心細かったか。
                どんだけ寒かったか。
                そしてどんだけどんだけどんだけ悔しかったか。
                どんだけどんだけどんだけどんだけ今も悔しいか。
                どんだけどんだけどんだけどんだけ今も痛いか。
                100キロ。
                本当に正気の沙汰やない。
                キチガイのする事だと思う。
                今までの人生の中で一番辛い経験だった。
                そんな辛くてたまらん事を



                「今年出来なかったから、来年もっかい挑戦するよ。」


                そんな事易々と言えない。
                あの日の事を思い出すだけでも、
                胃がキューっとなる。
                腋の下にイヤな汗が出る。
                胸がぐっと辛くなる。

                悔しいよ。
                再チャレンジして、絶対攻略してやりたいなって思うよ。
                でも、もし来年もっかいチャレンジしてさ、
                それでもダメだったら、俺、きっと生きていけないよ。
                もっと言うなら、
                来年再度エントリーしたとしたら、
                今回も失敗したらどうしよう?
                このプレッシャーだけで、
                本番前につぶれてしまいそう
                やわ。


                ちなみに見事、
                ゴールした13人のメンバー達の感想は
                みな似たようなものだった。

                「本当に地獄だった。」

                「夜のピクニックなんて甘酸っぱいもんじゃねー。」

                「ただただ地獄だった。」

                「もう十分。おなかいっぱい。」

                「一生これだけはしたくない。」

                「でも、これ、達成感だけはハンパなかった。」

                「こんな達成感、今まで生きてきて感じた事はない。」

                地獄。
                おなかいっぱい。
                一生やらない。
                打ち上げで、
                みんなこの言葉を繰り返していた。
                ただ一人、彼を除いては。

                そんな地獄、
                今年だって頑張って頑張ってちょー頑張ったのに、
                為し得なかったその地獄に、
                「来年もういっかい挑戦〜しま〜す。」
                そんな事言えない。
                恐ろしすぎて。
                この言葉を言う為には、
                相当の覚悟がいると思う。







                じっくり考えさせて下さい。







                自分がやれるのか?
                本当にやれるのか?
                プレッシャーに打ち勝つ精神力を養えるのか?
                しばらく考えさせて下さい。




                でも、もし、
                僕が来年、
                もう一回、挑戦したい。
                こう決心した時は、
                カビっち、Bettyっち、ゆりっちょは
                一緒に歩いてくれるんだよね?
                そう約束してくれたよね。
                こう言ってくれて嬉しかった。

                打ち上げの席。
                みんなが「こんなこともう絶対しない。」
                「一生したくない。」と口々に言う中、
                カビっちだけがこう言ってた。





                「むんさんはダメでしょ?
                 何がなんでも来年もっかいやらないとダメでしょ?
                 俺が一緒に歩いてやるから。
                 えっ!?何?
                 俺がもっかい出るって言ってのに出ねーのかよ?」





                打ち上げが終わって数日がたって、
                Bettyさんと、ゆりっちょからメールが届いた。






                「もしmoonさんが来年出るなら、
                 私も一緒に歩くよ。」






                約束してないし、何も聞いてないけど、
                きっとみゆきたんも一緒に歩いてくれると思ってる。
                頑張らない頑張らない。
                帰る帰るって叫びながら、
                また一緒に歩いてくれるよね?
                お前、まんこやし。超まんこやし。
                あの日、夜になったらまたしよーなって約束してた
                エロしりとりの続きも出来なかったし。



                カビちゃん、Bettyちゃん、ゆりっちょ、みゆきたん



                もし来年、
                もう1度俺が勇気を持つ事が出来たら、
                その時はよろしくお願いします。
                その時は俺、すげーすげー頑張る。
                意地でも頑張るから。
                次は俺も一緒にゴールまで連れていって。
                あなた達が観た景色を、
                俺にも見せて下さい。



                もし来年、
                もう一度僕が勇気を持つ事が出来たら、
                再度ここで告知します。
                もっかいやるって。
                僕のリベンジ、
                一緒に戦ってくれる新たなメンバーをここで募集します。
                僕と一緒に戦って下さい。
                見た事のない景色と
                感じたことのない地獄。
                そしてその上にある達成感。
                一緒に勝ち取りにいこう。
                次こそは。




                その時が来るまで、

                今は疲れた体と心を休めます。






























                悔しくて悲しい。
















                今は、ものすごく。










































                | マラソン | 23:21 | comments(9) | trackbacks(0) | - | - |
                同意。
                0
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                  俺もそう思ってた。
                  前のブログと区別する為に、
                  わざと変えたんかなぁって。
                  だから、うちのサイトのリンク欄にも、
                  「曇りの晴れ」って名前でリンクしてる。
                  | マラソン | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  ぼんやり
                  0
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                    胃が痛くてたまんないから、
                    薬飲んだ。
                    足のマメ潰して汁出して消毒して絆創膏はった。
                    なんもする事ないから、
                    寝転んで外ばかり見てる。
                    雨見てる。
                    昨日からずっと、
                    悔しいと情けないばかり考える。
                    気持ち切り替え用と思ってるのに、こればかり浮かんでくる。

                    目をつぶると、昨日一昨日感じた景色や匂いや音や温度が鮮明に脳裏に浮かんでくる。

                    涙が出る。

                    悔しい。
                    | マラソン | 10:02 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |
                    ごめんなさい
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                      110529_044023.jpg
                      15時間47分。
                      69キロ地点。
                      リタイヤです。
                      足が痛い。
                      それ以上に体が寒くて動けない。
                      | マラソン | 04:54 | comments(8) | trackbacks(0) | - | - |